有料老人ホームの現状シリーズ②「囲い込み・過剰介護の実態は?有料老人ホーム・サ高住でいま起きていること」
「囲い込み・過剰介護の実態は?有料老人ホーム・サ高住でいま起きていること」
こんにちは!株式会社Goingの鈴木です。
介護・福祉業界の現場経験をもとに、働く皆さんにとって「知っておいてよかった」と思える情報をお届けしています!
今回は、
有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)における“囲い込み”や“過剰介護”の問題について。
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訪問介護やケアマネが“併設事業所”で固定されている
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軽度の方にも過剰な支援を行っている
そんなケースが指摘され、行政の指導対象にもなっています。
でも、これって何がいけないの?
どこまでがセーフ?
そんなモヤモヤを、WAMの調査報告をもとに解説します!
【目次】
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今回の対象は「有料老人ホーム・サ高住」
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併設サービスの利用率は9割超え
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囲い込みとみなされる行為とは?
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過剰介護のリスクと行政指導の事例
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現場ができる“選択肢を奪わない支援”
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まとめ
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参照元
1. 今回の対象は「有料老人ホーム・サ高住」
この内容は、特別養護老人ホームや老健ではなく、
▶ 有料老人ホーム
▶ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
に関する【令和4年度の現況報告】をもとにしています。
これらの施設では、訪問介護や訪問看護、ケアマネ業務などを同一法人が併設提供しているケースが多く、
**「本当に利用者の自由な選択が守られているか?」**が問われています。
2. 併設サービスの利用率は9割超え
報告書によると、併設(同一法人)サービスの利用率は…
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訪問介護:91.8%
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訪問看護:95.2%
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居宅介護支援(ケアマネ):90.6%
つまり、ほとんどの入居者が「併設事業所のみ利用」している状況です。
これは効率面ではプラスですが、
利用者に「本当に選択の自由があるのか?」という視点では、改善の余地があるともいえます。
3. 囲い込みとみなされる行為とは?
厚労省や自治体が問題視する“囲い込み”の具体例は以下の通り?
✅ 「併設の訪問介護しか使えません」と案内
✅ 他事業所の利用を希望したら断られた
✅ ケアマネを勝手に施設が指定していた
こうした状況は、利用者の選択権を事実上制限していると判断され、
? 行政指導や改善命令の対象になります。
4. 過剰介護のリスクと行政指導の事例
囲い込みと同時に問題視されているのが、
▶ **「必要以上の介護サービス提供(=過剰介護)」**です。
たとえば、
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要支援レベルなのに毎日訪問介護
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生活援助のはずが、実態は全介助
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明らかに“介護報酬目的”のプラン
こうしたケースは、
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利用者の自立を妨げ
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経済的負担を増やし
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ケアマネの倫理にも反します。
WAMの報告でも、これらは「行政から是正指導が入った実例」として紹介されています。
5. 現場ができる“選択肢を奪わない支援”
私たち現場職員ができることは…
✅ ケアマネ・サ責として:
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他事業所の案内をしっかりと
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利用者・家族の意向を文書化して残す
✅ 介護職として:
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「このサービスは本当に必要か?」と振り返る
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自立支援型ケアを意識して働く
✅ 施設全体で:
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“囲い込みと思われない”丁寧な説明
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外部連携に柔軟な体制づくり
? ポイント:
「囲い込む支援」ではなく「選べる支援」へ。
6. まとめ
✅ 有料・サ高住では併設サービスの利用率が非常に高い
✅ 囲い込み・過剰介護とみなされれば指導の対象に
✅ 利用者本位の説明・提案が重要!
“良かれと思って”の支援が、
時に制度違反や信頼損失につながることもあります。
いま一度、本当に利用者にとってベストな選択肢を提示できているか?
現場全体で考えていきたいですね。
7. 参照元データ
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独立行政法人福祉医療機構(WAM)
「有料老人ホームおよびサービス付き高齢者向け住宅の現況報告(令和4年度)」
[PDF資料より作成(ファイル名:001475471.pdf)]
次回(第3回)は、
**「苦情・事故・契約トラブルにどう備えるか?現場の対応力を高めよう」**をテーマにお届けします!